【体験談】リーメンビューゲル治療が始まった日 〜突然のDDH診断と治療生活〜

体験談

「まさか、うちの子が股関節脱臼なんて…」

そんなふうに思っていた私たち家族に、突然告げられた発育性股関節形成不全(DDH)の診断。その日のうちに治療が始まり、気持ちが追いつかないまま、私たちの治療生活はスタートしました。


大学病院で突然告げられたDDHの診断

娘が大学病院で診察を受けたのは、生後数4か月のこと。かかりつけ医には「良くなってるね!」といわれていた矢先、まさかの股関節脱臼と診断されたのです。

「え?うちの子が?そんなはずない…」

そう思いたくても、現実は受け入れなければならず、その日のうちに装具を付けた治療がスタートしました。


リーメンビューゲルとは?

画像提供:小児の股関節疾患|名古屋市立大学病院 整形外科

リーメンビューゲルとは、DDHと診断された赤ちゃんが最初に行うことが多い治療法です。

ベルト状の装具を赤ちゃんの全身に装着し、股関節をM字に開いた状態で保つことで、赤ちゃん自身の自然な動きを使って、脱臼した股関節を正しい位置に戻す(整復する)目的があります。

この治療法は、特に生後3〜4か月の赤ちゃんに適しているとされています。


治療中に大変だったこと

■ お風呂に入れなかった

装着中はお風呂に入れず、10日間、全身を拭くケアで対応しました。お風呂が好きだった我が子にとっては少しかわいそうでしたが、病院によっては、親が装具を外してお風呂に入れるよう指導されることもあるようです。

■ 着替えが大変!

リーメンビューゲルをつけていると、着替えは一苦労。装具のベルトの隙間を縫うようにして洋服を脱がせたり着せたりする必要があります。本人も、服を引っ張られる感覚が嫌なのか、毎回泣いてしまいました

■ おむつ替えにもコツが必要

おむつ替えも、装具の隙間からおむつを滑り込ませるように入れなければならず、最初はとても苦労しました。でも、慣れてくれば段々とスムーズにできるようになります。


赤ちゃんの順応と普段の生活

最初は装着によって寝返りができずに怒って泣いていた娘も、1、2日で落ち着き、次第に順応して寝返りをしようとしなくなりました

また、リーメンビューゲルを付けていても、抱っこはできるし、ベビーカーやチャイルドシートにも乗れるので、お出かけもでき、日常生活に大きな支障はありませんでした。


リーメンビューゲルの整復率とわが子の経過

リーメンビューゲルの整復率は、全体でおよそ8割程度といわれています。

  • 軽傷の場合 → ほぼ10割整復
  • 重症の場合 → 約6割程度

うちの子は、残念ながらリーメンビューゲルでは整復されませんでした。今思えば、診断時から完全脱臼と言われていたので納得です。


リーメンビューゲルの注意点と治療の判断

リーメンビューゲルは効果的な治療法ですが、必要以上の長期間の装着や、症状に合っていない子が使うと骨の壊死につながるリスクもあります。

装着中の診察で「機嫌はどうですか?」と聞かれるのも、この壊死の兆候を早期に発見するためです。

我が家では、リーメンビューゲルを生後4か月の時に装着しましたが、残念ながら整復されませんでした。

この時点で、次のステップである入院しての牽引治療を勧められました。ただし、牽引治療は生後6か月を過ぎないと行えないため、約1か月半の猶予期間が必要となります。

この間に「もう一度リーメンビューゲルを試す」という選択肢も提示されました。しかし、うちの子は重症度が高く整復の見込みが低い(後々聞いた話では、重症でも骨の位置次第では入る可能性があるそうです)こと、そして骨の壊死というリスクを考え、再装着はしないと判断しました。

時間はかかるけれど、より安全に整復できる方法として、私たちは入院による牽引治療に進むことを決めました。


心の整理と次の治療への決意

リーメンビューゲルをつけると聞いた時も大きなショックでしたが、次に控えていた牽引による入院治療は、リーメンビューゲルとは負担が格段に違います

赤ちゃんにとっても、家族にとっても、大きな転換となる治療。

この1か月半の猶予期間で、私たちは気持ちとしっかり向き合い、少しずつ前を向けるようになりました。

この気持ちの整理については、別の記事で詳しくまとめていますので、よければご覧ください。

▶ 【【体験談】娘がDDHと診断されてから前を向けるようになるまで


まとめ:最初は不安でも、赤ちゃんはちゃんと順応してくれる

DDHの診断と、突然始まるリーメンビューゲルでの治療。親としてはショックや不安でいっぱいでしたが、赤ちゃんの順応力はとても強く、装具を付けながらでも普段通りの生活ができることも多いです。

リーメンビューゲルが合わない場合もありますが、次の治療につながる大切なステップとして意味のある期間だったと、今は感じています。


参考文献・参照元

小児の股関節疾患|名古屋市立大学病院 整形外科

DDH(発育性股関節形成不全)について|整形外科学術研究所

赤ちゃんの股関節脱臼(発育性股関節形成不全)について|愛知県医療総合案内

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